2006年10月29日

満腹は、平和の素。

そっか! 平和ってみんながお腹がいっぱいだってことなんだ!

今年、(今のところ)最高の作品と出会った。

『トンマッコルへようこそ』


まったく予備知識なしで、TVのCMの情報だけで、映画に臨んだ。
近ごろ、「この作品観たい」と思っても、日々の仕事と生活にかまけて
気づいたらもう終わっていた! ということが多かったんで、
「トンマッコルは初日に行こう」と決めていた。
CMがとても印象的だった。
女の子が空に向かって手を広げていて、カメラが俯瞰からそれをとらえている
そのひとつの場面と音楽にくぎ付けになった。

「ジ、ジブリだ…」


それもそのはず、この作品の音楽を担当したのはジブリ映画には欠かすことができない
久石譲だ。

韓国映画に彼が、なぜ?


とにかく、映画を観てみないとはじまらないと思った。
CMを観て以来、「あと1週間、あと3日、いよいよ明日…」と
自分の中で一日を終えるたびにカウントダウンしていた。
映画の内容は、敢えて白紙の状態で行こうと決めた。
こんなに公開を待ちわびたのは、いつ以来だろう。


時代は、朝鮮戦争のただ中。
え、これって戦争映画だったんだ。
CMの一場面からは、ほのぼのとしたファンタジーの臭いがプンプンしていたから
いきなり意表をつかれた。
プライベートライアン(観てないけどさ)ばりの激しい戦闘シーンが続く。
臨場感と迫力のある映像で、自分もその戦場にいるような感覚に陥る。
知らず知らずに、銃弾を避けるために頭を動かしていた。
その激しい戦場から命からがら逃れてきた人民軍(北)の3人の兵士。
森深い道でしばしの休息をとっているところに
ひとりの少女が風のように現れる。
それが、トンマッコルの住民、ヨイルだ。

物語は、本来は敵同士である人民軍兵士と、韓国軍兵士、そして連合軍のアメリカ大尉が
不思議な村、トンマッコルに迷い込んだことからはじまる。
一発触発、ピリピリと張りつめた空気と、村の住民たちのほのぼのとした雰囲気の対象が
なぜだか笑いを誘う。
村の大切な食料をダメにしてしまったことから、兵士たちは協力して村の収穫を手伝うはめに。

とにかく、争いごとや殺し合いなど、まったく無縁なトンマッコルでは、
生きることは、食べることなのだ。
彼らにとっては、銃は人を殺す道具ではなく、単なる棒きれ。
手榴弾は、黒い芋、みたいなものでしかない。
実際に、それぞれの軍の兵士たちが心を開いていくのも、
食べること抜きには語れない。

人民軍のリ中隊長がトンマッコルの村長に聞く。
「あなたの偉大な指導力は、どこにあるのでしょう?」
すると、村長は当たり前のようにこう答える。

「たくさん食わせることだ」と。


韓国では、6人に1人はこの映画を観たという記録的な大ヒット。
銃撃戦に見られる映像技術のクオリティの高さと、
村での間の抜けたようなゆるい編集方法の対比といい、
その絶妙なバランスが、この作品の「味」となっている。
同じ民族同士が争うという悲惨さを(日本がその悲劇に少なからずとも荷担していることは忘れてはいけない)、トンマッコル村の平和を描くことで浮き彫りにするメッセージ性。
そのメッセージを、観客に「楽しませる」ことで伝えている。
これぞ、映画!
若い監督ながら、その力量に驚く。

どうやらこの監督は、ジブリ映画に傾倒しているらしく、
熱烈に久石譲にラブコールして音楽をつけてもらったようだ。
シーンの切り取り方や、村のディテールなど、ジブリ映画を思わせる要素が満載。

いやぁ、劇場であと2回くらい観ても、泣いちゃうよ。ぜったい。
posted by さとる at 12:57| 熊本 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月11日

消えたのか、消されたのか。

毎日、毎日、汗水たらして、重い荷物抱えて、働いて、働いて、
1ヶ月なんとか暮らせて、おいしいご飯をたまには食べられる報酬をいただいて、ああ、ありがたや、ありがたや。

そんな小市民には、ちょっと衝撃的でした。

「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」

Denkikanのイベントで、映画の後にストーンズ通の在熊タレントのトークショーと、DJイベントと、1ドリンクがセットになって1,800円。

これは、お得じゃないっすか。


そう、小市民はおまけにも弱い。


しかも、その在熊タレントっつうのが、私の友人で
「行くなら、チケットあげますよ」
その一言に、

夕食に、お好み焼きをいそいそと食べに行く。


タダにめっぽう弱い、小市民っす。


夜8時40分開演。
会場にギリギリセーフで滑り込むと、いきなり上映開始。

ストーンズといえば、ミックやキースという
ミーハー的な知識しか持ち合わせていなかった小市民は、
この映画を観て度肝を抜かれる。


「ロックスターって、お金の心配しなくていいんだ!」


ストーンズの立ち上げメンバーである
ブライアン・ジョーンズに焦点があてられて
彼が謎の水死を遂げるまでのお話が、
ぶつ切りつなぎの映像によって、延々と語られる。
ブライアン・ジョーンズの存在はちらりと知ってはいたが、
彼の死やストーンズから抜けた経緯は知らなかった。

それよりも、ドラッグにどっぷり浸かって、
仕事(ライブ)にも参加しないで、
家で酒飲んで、服着替えて、ソファに沈んでいるだけなのに、
ものすごいリッチ。
しかも、家の改築費は事務所が工面しているところを
見せられた日にゃ、小市民の手はブルブルと震えるわけですよ。


「ロックスターになってやる」



物語は、その家の改築工事を頼んだ建築家フランクが
ブライアン・ジョーンズを殺してしまった、という
ラストに向かって、延々とブライアン・ジョーンズの
ダメッぷりが描かれている。
当時は、彼の死は「謎」として扱われていたらしく、
建築家フランクが死ぬ間際にブライアン・ジョーンズを
自分の手で殺した、と告白したことから
真相が明らかになったという。

本当かなぁ…。

映画自体は、まあおもしろかった。
ほぼ実話をもとにつくられているし、
ブライアン・ジョーンズが死んだとされている
プールも本物をロケで使っている。
彼が住んでいた家も、くまのプーさんの作者が住んでいた家だったことも、
小市民の心をくすぐる。

でも、なぜ彼は殺されなければいけなかったのか。
彼が抱えていた問題って、何だったのか。
ストーンズとの他のメンバーとの関わりは?
建築家フランクとの関係は?

いまいち、見えてこなかった。
何だか、もんもんとした黒いかたまりを心に落としていっただけだった。


上映後に、在熊タレントとDenkikanスタッフによるトークショーで
ブライアン・ジョーンズについてなんとなく理解できた。
2時間の映画を観るよりも、わずか10分強のトークショーで
私の中にブライアン・ジョーンズの像がおぼろげながらにできた。

トークショーから映画、という順番だったら良かったかも。
と、思いつつチケットとセットになっていたドリンク(コーラ)も
ちゃっかりいただいて、
DJのまわすレコードを覗いて、満喫した。

タダなのに…。


posted by さとる at 10:57| 熊本 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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